日本共産党流山市議団
高橋議員の活動

電子投票の導入は“時期尚早”と反対討論

 日本共産党を代表しまして、議案第34号 「流山市議会議員 及び 流山市長の選挙における電磁的 記録式 投票機を用いて行う投票に関する条例の制定について」は反対の立場で討論を行います。

 電子投票によるメリットは一定あることは否定するものではありません。開票の迅速化、疑問票の解消、自書が困難な有権者の投票が容易になるなどのメリットがあることも事実です。ただし、単なる事務の効率化ではなく、民主主義の根幹である選挙制度に関わる重大な変更ですので、導入に至る計画性、そして特に市民の理解が最も決定的です。R8年度からの3年間の総合計画や実施計画にも明記されていない拙速(せっそく)な条例改正であり、賛成できる材料が揃っているとは言えません。

 3点について問題点を指摘します。

 1点は、投票する市民の立場にたった改正ではないということです。1つに、十分に周知・告知・体験できる時間ありません。来年の春までの投票となれば、どれだけのデモンストレーションが計画できるでしょうか。実施するにあたり市民祭り、市役所に配置、出前講座等をするといいますが、期間は今から準備することになりますから10カ月程になるでしょう。また、他自治体で実施や計画を予定している有権者数は、1万から4万ですが、流山市は17万人と規模が違い、市民への周知・体験するには余りにも時間がありません。
2つに、初めて電子機器に触れる高齢者などの中には、操作に戸惑いや不安を感じる方も少なくないと考えます。操作方法が分からない場合には投票所職員の補助を受ける場面も想定されますが、その際には投票内容の推測につながる懸念が生じます。選挙における秘密投票は民主主義を支える重要な原則であり、有権者が誰にも知られることなく自由な意思を表明できる環境を確保することが必要です。その点で、市民の不安を十分に払拭できる準備が整っているとは言えません。
3つに、もしも県が実施しなければ県議選の投票は紙の投票になります。市長・市議選は電子投票になり混在することになります。市民からみれば混乱を招き、事務や開票でも更に煩雑性を招くことになります。

 2点は、多額な経費がかかることです。電子投票を導入し場合、県議選で4,932万4千円、市長・市議選では4,795万2千円の増額の見込みです。紙での投票用紙等の減額は両方で1,400万円を差し引いても、約8,300万円の純増になります。特別交付税の措置があるからと言いますが、元々は国民の税金なのです。
また、電子投票を導入している自治体の議会答弁では、システム障害やセキュリティ対策など制度上の課題も指摘されています。実際の運用事例は全国的にも限られており、十分な検証と評価が確立されているとは言えません。そのような状況のもとで、多額の経費をかけて導入を進めることには慎重であるべきです。

 3点は、優先課題が間違っていることです。今やるべきことは、電子投票の推進よりも、現行制度のもとで市民要望に応える投票環境の改善を優先すべきです。例えば、投票所の増設、期日前投票の充実、不在者投票・在外投票の改善、高齢者や障害者の投票環境整備、巡回投票の導入などによって、投票機会を広げることを重視することが大切です。
また、市職員の働き方改革や開票作業の短縮化という効率化を優先するのであれば、選挙の時だけではなく、人口比で最も少ない職員数で働かされている本市の人員配置の改革こそ待ったなしだと指摘します。
 そして何よりも、現在、市民生活は物価高騰の影響を大きく受けています。中東情勢の不安定化などを背景に、燃料費や生活必需品、事業活動に必要な資材価格の上昇が続き、市民や中小事業者、農業者、医療・福祉関係者は厳しい状況に置かれています。
限られた財源をどこに重点配分するのかという観点から見れば、今優先すべきは電子投票の導入ではなく、市民生活や地域経済を支える施策の充実ではないでしょうか。その優先順位について十分な検討がなされているとは言えません。

 以上、電子投票には一定のメリットがあることは認めるものの、流山市においては市民への周知・理解の促進、制度運用の検証、費用対効果の検討が十分とは言えません。民主主義の根幹である選挙制度の変更は、市民の納得と信頼を前提として慎重に進めるべきであります。
 よって、本条例案による電子投票の導入は現段階では「時期尚早」であり、議案第34号に反対することを表明し、討論といたします。

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